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富嶽
てりやき
2023小説巫女本2023に掲載
「父と登ったあの山を、私はまだ下りられずにいる」10年前、小学三年生だった柚希は、大好きな父と富士山に登った。母が握ってくれたおにぎり。雲海の上で父と交わした何気ない言葉。それは、今も鮮やかに残る家族の記憶だった。しかし中学受験を境に、父は酒に溺れ、母は宗教に救いを求めはじめる。やがて父は家から姿を消した。19歳になった柚希は、再び富士山吉田口五合目に立つ。今度はひとりで――家族の幸福と喪失、その先にある再生を描く短編小説。
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